アキレス腱炎・アキレス腱断裂
2018年01月31日
こんにちわ!ずっと寒いですね最近は…。寒い中、急に身体を動かすと様々なケガに繋がるのは皆さんも何となくお分かりだと思います。
そんな中、寒い体育館でバレーをしていたママさん方の症状を今回はお話しようと思います。
『アキレス腱炎』
アキレス腱炎(実質炎)~アキレス腱自体の炎症
アキレス腱周囲炎 ~アキレス腱を含むパラテノン(腱傍組織)の炎症
臨床的に両者の鑑別は困難、アキレス腱炎からアキレス腱周囲炎に移行する場合もある
■発生機序
ランニングなどによりアキレス腱部に繰り返し外力が加わることにより発生(下腿三頭筋のover use)
足部のアライメントの不良:踵骨軸の外反(回内足変形)、外反扁平足
下腿三頭筋の筋力低下・柔軟性低下
アキレス腱自体の微小断裂が瘢痕化
慢性炎症や肥厚をきたしたパラテノンが腱と癒着
■症状
アキレス腱踵骨付着部より近位2~6センチ部(アキレス腱狭小部)の圧痛、腫脹
足関節伸展(背屈)による痛み
つま先立ちにて疼痛出現
時に運動時の轢音
運動開始時に痛みがあるが、徐々に消失
■治療
当院では運動をしている人、していない人でケアの仕方が異なります。選手には運動制限を出すような症状でない場合は、治療、テーピングをして運動をしながら治していく方針。
運動していない方は、安静がとれるので早期に回復は見られます。
『アキレス腱断裂』
※アキレス腱は人体中最大の腱です。
下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の停止腱として踵骨隆起に停止。修復力旺盛~パラテノンを介して直接血行が得られる
■アキレス腱断裂の特徴
左右差:認められない(剣道で発生したものは左側が多い)
断裂部位:踵骨付着部より3~5センチ中枢部、平均4.5㎝(アキレス腱狭小部)
アキレス腱狭小部>筋腱移行部
間隙幅:平均2.2㎝
完全断裂>不全断裂(筋腱移行部では不全断裂がある)
■発生機序
介達外力(多)>直達外力
日常生活:階段を踏み外す
スポーツ:急激なターン、ジャンプの際発生
バレーボール、テニス、バスケット、陸上競技、スキー、バトミントン
下腿三頭筋の不調和運動、下腿三頭筋が緊張している際、足関節に急激・過度な伸展が強制され断裂
30~40歳代に好発:アキレス腱の変性が基因
①若年者(スポーツ選手):過労(腱の炎症や微小な断裂)が原因で発生
②中高年(30~40歳代):変性に外力が加わり発生
➂高年者:日常生活動作、階段の踏み外しなどで発生
【病因】
・微小外傷による腱の脆弱化
・加齢による腱の変性
・ステロイド剤投与による腱の病的変性
基礎的状態に外力が加わり発生する。受傷前に腱の疼痛を訴える要因、痛痛後1ヶ月以内の受傷が多い。
■症状
・殴打されたような、蹴られたような、ボールが当たったような感覚、衝撃を覚える
・断裂音を聞くことが多い
・アキレス腱の緊張低下
・触診:断裂部に陥凹触知、圧痛
・疼痛は少なく、歩行可能も不安感あり
・腫脹軽度(筋腱移行部断裂の場合は中等度)(受傷後2日異常経過したものでは出現)
・機能障害:つま先立ち不能(部分断裂でも不能)(足関節の屈曲は可能)
■治療
手術:腱縫合術
日常生活復帰は8~10週間、スポーツ復帰はおよそ4~6カ月かかると言われている
保存療法:つま先から大腿部まで固定をさせた状態なので腱がくっつく間に下腿三頭筋の筋力
低下が著名になるので早期復帰を求めるのであればオペをおススメします。
その後の関節がかたまらない、筋力をつけてスポーツ復帰の治療などは当院でしっ
かり行えます。