発育期の膝関節障害

2018年02月9日

こんにちわ!三郷中央駅前整骨院の高橋です。

部活をしている成長期の学生に多いと言われる膝の障害。

ジャンパー膝やオスグット(成長痛)などが多くを占めていますが、見落としてはならないこんな症例もあります。実際に当院に来院された患者様でみた症例をご紹介いたします。

■膝関節部の軟部組織損傷

膝関節は重要な荷重機能にも関わらず、その安定性の大部分は周囲の筋、靭帯と関節半月によって保たれている。スポーツ活動、交通事故、労働災害などでは外傷を直接受けやすい部位であり、この部の損傷は日常多く遭遇する。

膝関節は大腿脛骨関節と膝蓋大腿関節の二つの関節から構成され、いずれも骨性には不安定な構造となっているので、筋、靭帯、関節半月などの軟部組織による静的、動的安定機構が重要な役割を担っている。

この部の損傷はその損傷程度の判定と正確な鑑別、適切な施術を行うことが予後を左右させます。

【発育期の膝関障害】

新生児から思春期にいたる時期は筋、骨格系の発育障害に伴う膝関節疾患がみられる。

①小児の膝変形

親が幼児の膝変形を心配して来院する場合は生理的範囲のものが多いが、成長軟骨の損傷による骨の部分的成長障害が疑われる場合はその変形が成長とともに進行するので注意。

・反張膝

小児の膝関節伸展可動域は約20度までが正常範囲と考えられている。成長とともに減少し0度~100度程度となる。この膝関節伸展可動域が20度を超えたものを一般に反張膝という。レントゲン像において、脛骨近位骨端核の中心を通る脛骨軸と大腿骨遠位骨端核の中心を通る大腿骨軸が交叉する角度および交叉する点がどこにあるかにより、先天性反張膝、先天性膝関節亜脱臼、先天性膝関節脱臼に分類される。

・内反膝、外反膝

膝関節を中心として下肢が外方凸に変形したものを内反膝といい、通常左右対称であるので、そのときはО脚と呼ばれる。新生児~3歳児くらいまでは生理的内反膝を呈する。病的な内反膝を呈する疾患としては、くる病(現在はほとんどみられない)やブラント病があげられる。

・ブラント病

脛骨近位端、骨幹端の後内側部の発育障害により、脛骨近位骨幹端を中心に発生する脛骨の内反、内旋変形をいう。出生時にはこの変形はみられず、成長とともに発症し、高度なО脚となる。明らかな原因は不明である。1歳~3歳までに発症する幼児型と8歳以降に発症する年長児型(学童型)に分類される。とくに幼児型は生理的О脚との鑑別が困難であり、診断にしばしば苦慮する。

・大腿四頭筋拘縮症

本症の病因は先天性と後天性に分けられる。後天性、とくに医原性に生じるものが多い。

先天性

胎児期に大腿四頭筋が著しく短縮すると、先天性膝関節脱臼または先天性膝蓋骨脱臼がおこる。これらが認められない症例に限って先天性大腿四頭筋拘縮症と診断される。

後天性

医原性や、外傷、炎症の後遺症としておこる。医原性大腿四頭筋拘縮症は、大腿に注射された薬剤が影響によって筋組織が壊死になり、この部分が線維化して筋組織の伸展性が減少する。障害部位によって大腿直筋が障害される「直筋型」、主として中間広筋が障害される「広筋型」、両者が障害される「混合型」の3型に分類される。医原性の80~90%は直筋型である。

 

このような例もありますので鑑別はしっかりしていかなければなりません。もしお身体にお困りの方は当院へお気軽にご相談ください!!