少し難しけれどとても大切な言葉「デルマトーム」

2025年10月7日

こんにちは、三郷中央駅前整骨院の中澤です。
今回は「デルマトーム」という、少し難しけれどとても大切な言葉についてご紹介します。

普段の生活で「手が痺れる」「足の外側がジンジンする」などの症状があると、不安になりますよね。
実はその“痺れる場所”や“痛みの場所”は神経の通り道に沿って出ている事が多いんです。
そのヒントとなるのが「デルマトーム」です。

 

デルマトームとは?

 

デルマトームとは医学的に「皮膚分節」と呼ばれます。
簡単に言うと脊髄から枝分かれする神経が担当している皮膚の範囲のことです。

背骨の中には脊髄という大事な神経の束が通っています。そこから出ている神経を「脊髄神経」と呼び、首からは 頚椎神経(C:Cervical)、胸からは 胸椎神経(T:Thoracic)、腰からは 腰椎神経(L:Lumbar)、おしりからは 仙骨神経(S:Sacral) がそれぞれ出ています。

例えば「C6神経」といえば「首の6番目から出ている神経」のことを指します。
そしてこのC6神経は「腕の外側から親指にかけて」の感覚を担当している、といった具合に神経ごとに決まった担当エリアがあるのです。

この「神経がどこを担当しているのか」をまとめた地図のようなものが「デルマトーム」になります。

 

デルマトームが大切な理由

 

私たちが問診で「どこがしびれますか?」「どの指がしびれますか?」と細かくお聞きするのは、このデルマトームを参考にしているからです。
• 親指にしびれがある → C6神経根(首の6番目の神経)に問題があるかも
• 中指のしびれ → C7神経根が関わっている可能性が高い
• 足の甲のしびれ → 腰のL5神経根のトラブルを疑う 

このように、症状の出ている場所をたどることで、神経のトラブルを推測できるのです。

 

患者さんにとってのメリット

 

「デルマトーム」という名前を覚える必要はありませんが、しびれや痛みの出る場所には理由があると知っておくと安心できます。

例えば、
• 「親指だけがしびれる → 首の神経に関係あるかも」
• 「足の外側がしびれる → 腰やおしりの神経が原因かも」

このように考えられると、症状をただ怖がるのではなく、正しく対応できるようになります。
また、来院されたときに「小指がしびれる」「足の甲がしびれる」など具体的に伝えていただけると、私たちも原因をより正確に探すことができます。

しびれや痛みは「年齢のせいだから仕方ない」と思ってしまいがちですが、原因をきちんと探れば改善できるケースも多いです。
気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。